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"住まいの日記帳"


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No.12 今までのプランはどこへやら・・・ Dec.20.2002 Fri

今年も残りわずか。仕事もプライベートの方もやることはまだたくさん。毎年、必ずやり残して年越しになってしまう。せめて年賀状と大掃除だけは終わらせたいものだ。

今日は、終日プランニングとその図面の作成に追われた。昨日、現場調査に行っていたものだ。2世帯住宅で、もし可能なら玄関を別々にしたいと、ちょっと弱気なご要望。約45坪の一種低層住居専用地域に属する土地のため建ぺい率、容積率が厳しく、お客様ご自身余裕のある間取りは難しいと思われている。確かにプランニングの焦点も敷地の大きさとの勝負であったが何とかまとめることが出来、夜20時には退社した。

話は変わるが、最近日課となっている某営業マンとの打ち合わせがある。ほぼ毎日午前中に1~1時間半ほどその営業マンの自邸計画についてお話をしている。

この計画についてお話を切り出されたのは昨年の夏ぐらいだっただろうか。本格的に図面を引くようになったのは今年の2月ぐらい。以来、かなりの図面を引いている。2階建てのご要望から始まり途中3階建てをしばらく続け、最近また2階建てになり、ようやく落ち着き始めているかに見えた。

お互い建築好きなこともあり、とても面白くお話をしているのだ。私の方も勉強になることが多く、特にその営業マンは以前、高層のマンションを中心に営業されていたこともあり、その要素が入り込んでくる。例えば、「建築は建ぺい率、容積率を使い切らなくてはいけない」が口癖の時もあった。マンションは極力収益を上げるため、出来るだけ多くの戸数を作りこむ。このため、目いっぱいの面積にする傾向があるのだ。同じことを自邸にて実践した時は0.1パーセントを刻むことに執着し、みょうに出っ張り、引っ込みが多い形の時もあった。結果、指定建ぺい率70パーセントに対し、69.9パーセント。かなり満足げなご様子だった。無論、でこぼこが多いとコストも必要以上に上がることになる。

最近は、2階建てでのベストプランとも言い切れる間取りがある。今までそのご要望には2階建てでは出来ないとお互い思っていたのにちょっとしたことで意図も簡単に2階建てで出来てしまった。今まで何だったの?と笑い転げてしまっている。とにかくベストプランと言ってしまえるぐらいのベストプランなのだ。少なくともこの2人には。

本当に全てのお話が終わってしまうぐらいベストプランなのである。

「なんか話すこと無くなっちゃいましたね」と寂しげに言う。すると、

「何てことだ!これからは借金返済の日々が続くだけだ・・・うぅー・・・、お前責任とって変わりに払ってくれ~」

「えっ、そんなバナナ・・・」と意味の無い会話が多い今日この頃なのである。

やっぱり、建てる前の間取り作りやお話がとても楽しいのだろう。決まってしまうとなんとなく秋の到来のような虚しさとまでは言わないまでも、夏が終わったなって言う感じになってしまう。

そして今日。
プルプルプル・・・いつもの番号から内線電話が鳴った。

「ねぇ、ちょっとお話をしよ!」

「わかりました。今行きま~す!」

いつもの打ち合わせ室で、

「ねぇねぇ、このプランどう思う?」

「どひゃー!何ですかこれは???」

「いゃー、夜寝ないで考えたんだけどこんな感じも出来るよね。あんまり気にしないで欲しいんだけど。」

「うーん・・・、なかなかいいですね。ここをこうして見ましょうか。」

「おっ!いいじゃん!いいじゃん!」

「なかなか建築的なプランですね。ここもこうしましょう。」

と今までのプランはどこへやら・・・。

いいでしょう!お好きなまでお付き合いをしますよ。プランニングは楽しいですからね。
ただし、工事が始まったらもう変更できませんよ。 
それまでじゃんじゃん作りましょう!



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