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"住まいの日記帳"


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No.21 仕切りなおし Jan.19.2003 Sun

1週間前に初めてお会いしたF邸お客様とのお打ち合わせが予定通り今日の午後16時より始まった。

16時ちょうどにお見えになられたお客様は、先ほど不動産屋さんと土地の売買契約をされたばかりである。お疲れのご様子も見せず、我々のプラン提示にお付き合いを頂いた。

ここのところの日記に綴っているお客様であり、住林さんとの競合となっている。冒頭のお話の中で我々とのお打ち合わせの後、すぐに住林さんとお打ち合わせすることを聞いた。先に我々がプランのご提示ということになった。

先日来より作りこんできたプランは、今日、女子社員より着色されさらにきれいになった。まずは、そのプランをお客様の前に一気に広げた。

最初は、そのきれいさに多少の驚きと期待感を与えるのは十分にこちらも感じられる。また、出来るだけプランの考え方や配慮した点がわかりやすいように色々な情報をも書き込む。また、生活感や図面のスケール感を与えるために一般的な家具の配置はもちろん、エアコンの室外機、物置、自転車、生ごみを入れておくポリバケツの絵まで落としたりもする。
ご説明では、まず今回のプランを作る上での基本的な考え方、重要にしているポイントなどをご披露し、敷地利用計画から内部に至り生活イメージを交えながらお話をする。また、途中お客様の反応を見ながら説明の程度、仕方も調整をするのは当然である。一方的にお話をしてもしょうがないので、出来るだけ反応を得る。具体的な評価はすぐには出ないので、お客様の反応を注意しているのである。

いつもプランのご提示は大変に夢が膨らむのでお打ち合わせは盛り上がるのだが、今日はなんとなく盛り下がっていくのを感じていた。家の中を進むにつれて反応が少なくなっていく。いつもは、お話のところどころで少し面白いお話を入れたり、笑いをとったりしてどんどん脱線していくのだが、今日は淡々と進んでいく。途中でお客様からの評価が下がっているのを如実に感じることになった。
概ね1時間半ぐらいのお打ち合わせが多いが結果的に1時間を切るお打ち合わせ時間だった。お打ち合わせの後半は、次のお約束が近づいているのかなんとなく落ち着きがないお客様だった。そして予定していただけのイメージを与えることが出来ないまま、お打ち合わせが終わってしまった感がある。

お見送りをした後は、もちろん担当の営業マンとお打ち合わせの内容について振り返るのだが、今日は、お互い良い印象を持てなかった。お打ち合わせのメインであったプランの評価が低かったからだ。その要因は、2つ考えられた。
一つは、お客様のご要望を間数の上では実現をしているプランであるが、全体的にお客様が持っていた広さのイメージとズレがあった可能性だ。特に1階の広さは確かにそんなに広くはない。特にお庭が小さい。なんとなく、このお庭が大変評価が低かったように思える。
もう一つは、お客様が初めてこの敷地のイメージを今日、理解した可能性である。今までプランをイメージすることなく敷地をご覧になっていたご様子なので、何となく現実を目の当たりにした雰囲気もあった。ようやく考え出すことが出来るようになったのかもしれない。考えていたから反応も少ないという可能性もある。

いずれにしろ、住林さんとのお打ち合わせ次第となった感がある。新たなご要望も出なかったので、次の作業も今日時点でなくなってしまった。一週間ぐらい経ってからまた、ご意見をお伺いできればという感じである。
それでも、お客様がお帰りになられる時、住林さんのプランも一設計士として興味があるので、可能ならば住林さんの設計士のプランを拝見出来るとありがたいのですがと一言付け加えてお見送りをした。

お打ち合わせが予定より早く終わったので、図面の作業をすすめ、午後20時半ごろ退社しようかとしていたところ、突然先ほどのF邸お客様から電話がかかってきた。
 まさか、住林さんとのお打ち合わせにより、我々の敗北を告げる電話なのか?こんなに早いのか??と、緊張しながら受話器をとると、なんとこれから会いたいとのことだった。これから行くのでまだいて欲しいと。

どういうことか、頭の中が目まぐるしく回転し出す。住林さんのプランを拝見したいとは言ったが、こんなに早く見せてくれるのか?何が何だがさっぱりわからずお見えになるのを待っていたが、10分ほどで来られた。雨の中大変恐縮はしたが、お打ち合わせコーナーにご案内をしお話を伺った。

住林さんからプランの提示をお受けになられたが、当社のと見比べて総合的に住林さんのプランの方が良かったということである。自分もその住林さんのプランを拝見することが出来た。そして、すぐにわかった。お庭の広さなのである。決定的な差はそれであった。他の部分では、正直、住林さんも我々も一長一短である。しかし、1階にお住まいになられるお父様とお母様はやっぱりお庭が欲しいのだ。自分のプランは一生懸命、目一杯敷地を使っているが、住林さんは南面を大きく空けている。もちろんその分、狭い部屋などは当然ある。しかし、お庭は重要であったのだ。

その違いにより、今回のプランは住林さんに軍配が上がった。しかし、今回のプランはメーカー選定にはならなかった。お客様からは、お庭をこのぐらい確保して作れないかのご相談だったのである。

そのお話を頂くことが出来、再度プランを作らせて頂くこととなった。1階については住林さん。2階については当社が良いようである。大雑把には。

参考までに住林さんのプランをコピーさせていただき、次週お会いするお約束をさせて頂くことが出来た。次週まで仕事がぎっちり入っているが、何とか再度、ご提示させていただきたい。住林さんとは、全くのイーブンのようで、仕切りなおしの上、次週、第2ラウンドということになる。このような形ですすんでくるとプラン勝負となり、一層気合が入ってくる。

今日は、色々と展開が変化していったが、お客様が夜に再度お見えになられてお話をお伺い出来たことにとっても驚き、反面、申し訳ない気持ちと、大変ありがたい気持ちで一日を終えることが出来た。



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