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"住まいの日記帳"
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No.17 |
生活しちゃいました |
Jan. 9.2003 Thu |
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年明け早々忙しい日々が続く。
差し迫った図面は、やはり工事が近い物件である。図面の遅れで着工が遅れるようなことがあっては決してならない。現在早々に決定の図面にしなくてはいけない物件は、2邸ある。2邸とも打ち合わせは全て完了し着工を待つばかりのものである。その中で早いのは2月中旬に着工するものだ。工事の段取りや、各工場、各メーカーに発注を事前にかけないと部材や設備が工事に間に合わなくなるため、着工の1ヶ月以上前に決定の図面を作成する。明日、1件を決定の図面にする予定だ。
今日は、細かい図面の修正を行いながら、いつもの某営業マンとの自邸の打ち合わせを行った。
概ね間取りも固まりつつある中も打ち合わせをする項目は絶えない。大きな変更は無くなってはいるが、細かい変更は数多い。
さすがに、設計士も考えないようなイメージで色々つついてくる。その生活の想像力で図面の中の家中を歩き回っているのだ。
今日の一番の焦点は、トイレとダイニングの壁だった。ダイニングからは1枚の扉を開け廊下に出、そしてトイレの扉を開けて中に入る。しかし、平面図上は、ダイニングとトイレが壁1枚で接している。実際、生活をしたことを考えると、直接はつながらない間取りでも壁1枚ではトイレの音が気になるのではないかということである。
設計の段階でも水回りの位置は、要注意ポイントである。極力、みんなが使う居室や玄関から遠ざける。遠すぎるのは問題があるが近いのも極力避けるべきである。また、2階の水回りが1階のどこの上にあるかも注意点だ。配管設備上、最近は進んでおり水漏れは滅多におきることは無く、音についても以前に比べればかなり低減している。ただ間取り上、極端に近いのがわかれば、精神衛生上好ましくはないのも当然である。私自身も自邸でそのように近い距離では少し抵抗を感じるだろう。
今回の間取りは、トイレまでに扉が2枚あることでそのような問題を解決していたつもりだったが、実際に図面の中で生活されたその営業マンはそれでも気になってしまっている。想像の中で便秘気味になっているか、そこまではわからないが、かなり気になってしまったご様子である。
打開策として幾つか上がった。
ダイニング側の扉が引き戸となっており、トイレとの間の壁に引く形であったが、その分その壁は一部薄くなる。そこで、引く側をトイレと反対の方向に引くようにした。そして、そこにあった物入れをダイニング側と反対の廊下側からの収納にした。
また、トイレとの壁は、遮音性の高い壁にして、かつそれを二重にする。二重にする効果がどこまであるかは未知数だが、気持ちの上では有効である。
そして、実際に生活をして扉からどうしても音が漏れてダイニングまで伝わるようなら、防音ドアに切替えられるよう扉の下地を工夫しておくということになった。
以上がトイレに関する変更となった。
その他、2階の廊下に置く予定であるピアノの置き場所については、その廊下を想像で歩くとどうしても狭い、と廊下の巾を広げるために面する吹抜けの大きさを25cm縮めた。
また、浴室の中に持ち込み型のラジオを置くスペースが無いな、と浴室の窓を出窓にしてそこに置くようにした。
これ以外にも多くの細かい変更が出たが、図面の中を頭の中で歩かないと気がつきにくいことも多い。想像すればするほど色々出てくる。想像した分、実際出来上がった時の使い勝手の良さが違ってくるものである。
今日のお打ち合わせで、営業マンの言った印象深い言葉は、
「生活しちゃいました。ハハハ・・・」 |
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