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"住まいの日記帳"


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No.52 TACT(照明デザイン集団) Dec. 6.2003 Sat

今年もすでに年の瀬。
あっという間に1年が過ぎ去っていく。
年賀状をしなければいけない時期に入り少し気が重い。
それでもプリンターの印刷速度が以前に比べ飛躍的に速くなったので、そんなに時間はかからないかな。

さて、今日は実例集に掲載している「浦和区瀬ヶ崎のR・M邸」のお打ち合わせだった。

H(A)社との競合の中、先月当社選定をして頂いたお住まい。
本格的なお打ち合わせが始まっている。

11月24日のご調印の後、お打ち合わせは今回で2回目である。
丸一日を使うのは今日が初めてであった。

前回のお打ち合わせでは、細かい間取りや仕様の決定よりも色々、住まいの考え方や、見方や空間の感じ方など、事例や写真をご覧になっていただき、考え方を見につけて頂くことを目的にしていた。

それでもイメージがしにくいようなので、今日も決められるところは決めていただいて、それ以外はもっぱら事例の紹介やプロとしてのご提案が中心であった。

一つ一つのご提案もさすがに慣れていない方には、少し難しいところもある。
理論的にも体験的にも実際的にもこの方が良いというものは、お客様にはなかなか難しいところもある。

また、お客様が潜在的に抱いているイメージがあるものだからそれが影響するところも多々なのだ。

そして今日は、照明の計画についてお話をすることが多かった。

インテリアもエクステリアもその雰囲気を作る大きな要素に照明がある。

例えば二昔前の照明計画は、部屋の中央に大きな蛍光灯を1灯設け、部屋を光々とムラなく照らすのが多かったと思う。

照明が少なかった時代の憧れみたいなものが潜在的に住まいの照明に表れているところでもあろう。

最近は、インテリアとしての照明を考えるところが多く、照明器具のデザインよりも空間をどのように照らし出すか、考えるところが多い。

照明は元来夜に使うものである。
夜に使うにふさわしい明るさや色、また、その照らし出す場所は、人の心理面にも大いに影響する。

昼間のような明るさは、夜の住まいに必ずしも必要ではないのである。

明るさが欲しいところは適度な照度を確保し(例えば、食卓上の明るさ、読書や新聞を読んだりする所の明るさなど) 、それほど必要の無いところは、むやみに照らさないことも考えられる。

光の塊りやラインも美しいもので、それが作られている空間は、奥行きが感じられ、ちょっとしたお洒落な空間を感じられる。

また、廊下なども光々と照らす必要はあるのだろうか。
よっぽど廊下が散らかっており、歩くのも困難なら必要だろうが、何も無いいつもの廊下なら、僅かな光だけで済んでしまうのではないか。

むしろ真夜中に廊下に出て、まぶしすぎるのは逆効果でもある。

住まいの照明は、人の心理面からもインテリアの面からも考えるべきで、決して光々と照らすだけではないと思う。

ここのところ照明の計画について意識しているのは、今年の8月ごろ、淡路島の「夢舞台」(安藤忠雄先生作)で大光電気㈱のTACTという照明デザイン集団の一人にお会いしてからである。

以来、色々講演を聴いたり現場を拝見したりして、照明計画の考え方に、刺激を受けているせいである。

こんなお話を今日もお客様にしてあげているものだからR・M邸のリビングの天井もスッキリと綺麗になりそうである。



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