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"住まいの日記帳"


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No.6 2世帯住宅 Nov.24.2002 Sun

11月24日の日曜日、案の定、打ち合わせのオンパレードデーだった。

9~12時までI邸の息子様と打ち合わせ。13時~15時までN邸、15時~18時までがI邸お父様と打ち合わせ、18時~19時がO邸、19時~20時がN邸のお打ち合わせだった。さすがに疲れた。

それでも慣れたもので自分の頭の中も完全に切り替わる。先ほどのお客様のプランとごっちゃになることはまず無い。お客様の顔を見ればそのプランが瞬間的に頭の中に浮かぶのである。自分でもなかなかの得意技と思えるほどである。おそらくプランを作る時、そのお客様の生活を想像しながらそのプランの中を頭の中で歩いたりするからだろう。右脳を使っての暗記術みたいなことなのかもしれない。

さて、今日のお客様の中に2世帯住宅の方がいらっしゃった。玄関ドアも別々な完全2世帯だ。

午前中は息子様ご夫妻、午後にお父様ご夫妻との打ち合わせをここ3週ほど繰り返している。今日で建物の基本仕様はまとまったが、2世帯住宅ならではの独特な打ち合わせ事項も幾つかある。例えば、電気、水道、ガスなどの引き込みは2系統に分ける場合がほとんどだが、その中での共用部分(門灯、玄関外灯、外水栓など)をどちらのメーターにするか、インターホンの独特な仕様、生活の時間帯も違うことからお互いの音の問題を極力気にならない間取りにするとかである。単世帯の住宅とは違う要素はかなりあるものである。

それから結構気を使うのは、それぞれの世帯の打ち合わせを行うのだがあまりお互いの仕様やデザインのイメージを気にしすぎると同じような感じになってしまう。お住まいになられるのは別々なのであまり意識せずそれぞれで考えていただけると良い。基本的な仕様で床暖房やエアコンなどは同じ方が良いと思うが、キッチンやお風呂の形とかまで一緒にすることは無い。世代の違いでお好みも違うものである。私も極力、隣の世帯が何を選んだか言わずに選んでもらい後で教えてあげるというような打ち合わせにしている。無論、グレード的にあまりにも違うのは問題だが、反対のものをお互い選びあうのを見ているのも結構面白い。

今日のお客様は、お父様ご夫妻と息子様ご夫妻のご都合上、午前と午後で別々にお打ち合わせをしたので、そのあたりはうまい具合にそれぞれお選びいただいたと思う。別々にお打ち合わせするのも一つの方法かもしれない。一緒にお打ち合わせするとお互い気を使い本音が出なくなったりする時もあるからだ。特にお姑さんとお嫁さんはそんな感じがする。

2世帯住宅は、お客様にとっても私たちにとっても2倍のパワーが必要である。そして、そのバランスがとても大切なのである。最終的な決定権者がお父様であることは参加者の暗黙の了解ごとであり、設計者はその狭間でお互いの本音を引き出そうとするのである。

結構、精神的な疲労感を感じることは言うまでもない。



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