私が初めてお客様とお会いしたのは、今から3年前(*1)のことでした。
その時以来、家のプランをおそらく10回以上作っておりますが、お客様の奥様は、某有名建築事務所(アーネストホーム)との設計契約をすでに結ばれており、私は相手にされませんでした。
某営業マンの方針とプラン作りが好きなこともあり、現実化するかわからないまま、それでも楽しくプランを作ってはご主人様とお話しをしておりました。
お会いしてから約2年がが経った頃、その営業マンからすぐ新しいプランを作ってくれないかと連絡が入りました。奥様と某有名建築事務所が決裂したらしいのです。
営業マンとは、「ドン・ジョンソン(*2)が住むような家を作ろう!」と盛り上がり、慌ててプランをまとめお打ち合わせに望みましたが、その頃からキーマンである奥様とお会いできるようになりました。
しかし、奥様は鼻にも掛けてくれず、お打ち合わせも30分もさせてくれません。しまいには、別なデザイナーを呼んで欲しいと罵られます。
そんな状況の下、転機となったのが1枚の階段手摺のスケッチです。
わずかなお話ししか聞いておりませんでしたが、どのようなスタイルを望まれているかが解ってきていました。
その1枚がこの「練馬の家」を現実のものにすることとなったのです。
(*1)文章は、2002年公開したものを引用
(*2)アメリカの男優(刑事TVドラマ「マイアミバイス」は有名) |