今日は雪が降りそうなぐらい寒かった。
去年だっただろうか。お打ち合わせが終わりお客様のお宅から外に出てみると一面銀世界に変わっていたことがあった。おかげで、普段車で1時間ぐらいのところを3時間以上もかかって帰ってきた。
今日は常にそのことを頭の隅に置きながら、お客様のお宅で午後1時から6時までの5時間のお打ち合わせを行った。前半の2時間は息子様ご夫妻のお宅で、後半の3時間は歩いて5分くらいのところ住んでいらっしゃるお父様ご夫妻のお宅で、場所を変えながらのお打ち合わせだった。
お父様の敷地に2世帯住宅の計画だ。予定の建物は約75坪と結構大きい。先日、家具寸法表を測って持ってきていただいたお客様である。
今日は主にお父様の和室がメインのお打ち合わせ。以前から何でもいいからと言っていた割りに、今日はみょうに細かくまた、こだわりが強く面と食らうこともしばしば。どんどん希望が出てきて今日のお打ち合わせだけで約200万円はコストが上がったのではないだろうか。最もまだご契約前なので基準となる金額も特にはないのだが。今後正式お見積もりを出すことになる。
和室は、筬欄間や障子欄間、書院などのデザインのほか、もちろんレイアウトや柱の位置やその太さがお打ち合わせでもメインのところとなる。特に柱の太さはその大きさで和室の空間のバランスが決まり、お客様のこだわりのところでもある。今日は、利き柱については4寸3分、それ以外の柱は3寸4分と決めた。1分程度は設計で多少変えるかもしれないが概ねその太さにすることになる。
また、床柱については、桧の磨き丸太、太さは5寸5分でお願いをした。桧磨き丸太もあまり見ることはないが、今年の夏に訪問した宇都宮の材木屋さんに5寸5分のものがあると言うことでそれを使う予定でいる。一度お客様にもご覧頂いた方が本当は良いのだが、出ず症のため難しいだろう。恐らく現場に早めに床柱を入れて取り付け前にご覧頂くことになると思う。
壁については、最近の流行でもある珪藻が入った塗り壁を使うことになる。色や塗調(しっくい調か土壁調)までは決まらなかったが、それでも珪藻土の特徴でもある呼吸機能で湿気の調整や悪臭物質の吸着機能に有利であるこの壁をお客様もご存知だった。
今日お伺いしたお宅も壊すには惜しい立派な和室があり、お打ち合わせのサンプルになるどころか逆に勉強させられるところも多かった。和室は、近代及び現代の主流の根幹となる畳から始まり、その様式と設計、そして職人がもたらすその技ではじめて和室になると思う。和室を知らなさすぎる和室は、いくらモダンと言え住まいの和室とは言いがたいものもしばしば見受けられる。
そんな意味で、まだまだ勉強の身である私自身、和室を設計する時は気合が入るのである。 |